コトバの小径

cover image/自由学園明日館 Jiyugakuen Myonichikan

序にかえて ~純化されたコトバ~

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写真/Green Park, London

 

このサイトは、数珠のように連なる、短く引用されたコトバから成っています。

 

引用の達人である批評家・若松英輔氏は、名エッセイ『悲しみの秘義』(ナナロク社)の中で、次のように定義されたコトバを紹介しています。

 

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哲学者の井筒俊彦(1914~1993)は晩年、「言葉」とだけでなく「コトバ」と記すようになった。コトバと書くことによって彼は、文字の彼方に息づいている豊饒な意味のうごめきを浮かび上がらせようとした。

 

人生はしばしば、文字にできるような言葉では語らない。人生の問いと深く交わろうとするとき私たちは、文字を超えた、人生の言葉を読み解く、内なる詩人を呼び覚まさなくてはならない。
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口から発せられた言葉、文字によって記された言葉だけがコトバなのではない。むしろ、沈黙のうちに意味を込められた言葉こそが、コトバとなってわたしたちの心に響くというのです。

 

さらに、若松氏は引用する意義をこう説いています。

 

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誰かの言葉であっても書き写すことによってそれらは、自らのコトバへと変じてゆくというのである。表現しようとする意図から離れ、純化されたまま引かれた言葉は、かえってその人の心にあるものを、はっきりと照らし出すことがある。

 

引用は、人生の裏打ちがあるとき、高貴なる沈黙の創造になる。
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ここに集められたコトバが、少しでもみなさまの心の片隅に残りますように。

不定期更新ですが、小径を散策するように、このサイトへ訪れていただければ幸いです。

 

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