イスラム教の聖典『クルアーン』の見開きページ(東京ジャーミイ礼拝堂内) ペンは剣よりも雄弁なり ほんの1カ月前には、ペルシャの「ペ」の字もない生活を、漫然と送っていた。転機は、2023年10月7日にガザ地区のニュースが流れたのを、目の当たりにしたこ…
東京ジャーミイの礼拝堂(東京都渋谷区大山町) 長生きする者は多くを知る。しかし旅する者はそれ以上を知る。 من يعيش يرى ,لكن من يسافر يرى أكثر (アラブの諺) 日本国内でもイスラム世界に触れられる、貴重な信仰の場 異郷を旅することは、ほぼ息をする…
国立ホロドモール虐殺記念博物館(右の建物)。中央は世界遺産のペチェールスカヤ大修道院(Kyiv, Ukraine)from Wikimedia Commons <朗唱>スターリンは王座で バイオリンを弾く彼はしかめっ面で パンを生む地方を見る木の実でできた楽器 悲嘆が生んだ弓彼…
The Sherlock Holmes Museum, 221B Baker Street, Marylebone,London 悲しみ泣く声は、言葉とは言えず、歌とは言えまい。寧ろ一種の動作であるが、悲しみが切実になれば、この動作には、おのずから抑揚がつき、拍子がつくであろう。これが歌の調べの発生であ…
W. シェイクスピアの生家(Henley Street, Stratford-upon-Avon, Warwickshire) 苦境に虐げられた流浪の人々を描きながらも、詩的な雰囲気をまとう傑作 いまだ収束の糸口が見えないまま、世界中がコロナ禍に見舞われて暗雲垂れ込める中、2021年に公開された…
ゴシック建築の教会(exact date and place unknown, England) コヘレトは言う。なんという空しさなんという空しさ、すべては空しい。 (『旧約聖書』「コヘレトの言葉」新共同訳 1章2節) コヘレトは言う。空の空。空の空、一切は空である。 (同上 聖書協…
19世紀の面影を残すロンドンの路地裏(White Horse Street, Mayfair, London) 「ロンドン」ウィリアム・ブレイク 私は、特権を誇っている町という町を、特権を誇っているテムズ河のほとりの町々を、歩きまわる。すると、そこで出会う一人一人の顔に疲労困憊…
「坊主バー」のお経を模したメニュー(東京都新宿区荒木町) 語られた言説だけを信用してはならない。また、書き記された言葉だけを信用してもいけない。そこには本当に起こったことの断片しか述べられていないからだ。 むしろ、あらゆる言葉は、語られなか…
元旦の満月に照らされるニコライ堂(東京都千代田区神田駿河台) 彼は醜く、威厳もない。みじめで、みすぼらしい 人は彼を蔑み、見すてた 忌み嫌われる者のように、彼は手で顔を覆って人々に侮られる まことに彼は我々の病を負い 我々の悲しみを担った 『旧…
『校閲ガール』の番組宣伝のために品川駅構内で展示されていた赤鉛筆 「地味にすごい」主人公は誰か? 校正・校閲に携わる、“日の当たらない”仕事をすることがあります。珍しく、校正・校閲の仕事にスポットを当てた『校閲ガール』(宮木あや子原作、KADOKAW…
19世紀の面影を残すロンドンの家並み(White Horse Street, Mayfair, London) 'Riches I hold in light esteem'Emily Brontë Riches I hold in light esteem,And Love I laugh to scorn;And lust of Fame was but a dreamThat vanished with the morn -- An…
水面に映える新宿御苑(東京都新宿区) タカオとユキノが逢瀬を重ねた東屋 雷神(なるかみ)も少し動(とよ)みてさし曇り雨も降らぬか君を留(とど)めむ雷神の少し動みて降らずともわれは留(とま)らむ妹(いも)し留(とど)めば 《原文》雷神 小動 刺雲…
『君の名は。』にも登場した現在のJR高山線・飛騨古川駅前 現在の飛騨市古川町上気多地区。『あゝ野麦峠』の時代を思わせる昔ながらの風景が残る 二月もなかばを過ぎると信州のキカヤに向かう娘たちがぞくぞくと古川の町へ集まって来ますみんな髪は桃割れに…
クリスマスのイルミネーションに彩られたカトリック神田教会(東京都千代田区西神田) 昨今、「Merry Christmas」の代わりに、「Happy holidays」という言葉がよく聞かれます。これはもちろん、キリスト教の信仰者ではない人にも配慮した、広範囲の挨拶の形…
Green Park, London このサイトは、数珠のように連なる、短く引用されたコトバから成っています。 引用の達人である批評家・若松英輔氏は、名エッセイ『悲しみの秘義』(ナナロク社)の中で、次のように定義されたコトバを紹介しています。 哲学者の井筒俊彦…