日本文学

現代文学に見る「信仰」と「宗教」のあり方 ~キリスト教・ヒンドゥー教・イスラム教の交差点~

元旦の満月に照らされるニコライ堂(東京都千代田区神田駿河台) 彼は醜く、威厳もない。みじめで、みすぼらしい 人は彼を蔑み、見すてた 忌み嫌われる者のように、彼は手で顔を覆って人々に侮られる まことに彼は我々の病を負い 我々の悲しみを担った 『旧…

今に息づく万葉集の恋歌 ~新宿御苑で味わう『言の葉の庭』のプラトニック・ラブ~

水面に映える新宿御苑(東京都新宿区) タカオとユキノが逢瀬を重ねた東屋 雷神(なるかみ)も少し動(とよ)みてさし曇り雨も降らぬか君を留(とど)めむ雷神の少し動みて降らずともわれは留(とま)らむ妹(いも)し留(とど)めば 《原文》雷神 小動 刺雲…

もうひとつの飛騨古川を巡る映画 ~『君の名は。』と『あゝ野麦峠』の舞台~

『君の名は。』にも登場した現在のJR高山線・飛騨古川駅前 現在の飛騨市古川町上気多地区。『あゝ野麦峠』の時代を思わせる昔ながらの風景が残る 二月もなかばを過ぎると信州のキカヤに向かう娘たちがぞくぞくと古川の町へ集まって来ますみんな髪は桃割れに…

純化されたコトバ ~引用の秘義~

Green Park, London このサイトは、数珠のように連なる、短く引用されたコトバから成っています。 引用の達人である批評家・若松英輔氏は、名エッセイ『悲しみの秘義』(ナナロク社)の中で、次のように定義されたコトバを紹介しています。 哲学者の井筒俊彦…